土地・家・マンション等の不動産「売却・贈与・相続」どれが得なのか?

土地や家、マンションなどの不動産、1番節税になるのは?

 

  • 1.売却  (生前)
  • 2.贈与  (生前)
  • 3.相続  (死後)

上記選択肢で、自分の場合はどれが1番得となるのか、計算してみましょう。

 

■かかる税金

  • 売却すると → 利益が出たら所得税、住民税
  • 贈与すると → 贈与税
  • 相続すると → 相続税

売却・贈与・相続、どれが1番得か?

不動産の贈与と相続 税額の比較

 

贈与と相続では、相続した方が圧倒的に得!

※税額は平成27年1月1日~の新税率で計算
マイホームを配偶者へ贈与(名義変更)した場合は、最大2,000万円控除があります
※相続時精算課税制度を利用すると、贈与税は2,500万円控除が利用できますが、この贈与分は相続時に結局加算されます

路線価方式で算出
した該当土地の
評価額
左記土地を贈与した場合の
支払う贈与税額
(一般贈与)
左記土地を相続した時の相続税額
相続人
配偶者健在 子ども1人 子ども2人 子ども3人
110万円以下 非課税 配偶者
控除
がある
(1億
6千万円)
非課税 非課税 非課税
300万円 435,000円
500万円 1,305,000円
1,000万円 3,500,000円
2,000万円 8,750,000円
3,000万円 13,750,000円
4,000万円 19,800,000円 400,000円
5,000万円 25,300,000円 2,025,000円 800,000円 200,000円
6,000万円 30,800,000円 3,525,000円 1,800,000円 1,200,000円
7,000万円 36,300,000円 6,400,000円 4,050,000円 2,150,000円
8,000万円 41,800,000円 8,400,000円 5,550,000円 3,925,000円
9,000万円 47,300,000円 14,100,000円 7,050,000円 6,075,000円
1億円 52,800,000円 17,100,000円 15,300,000円 7,575,000円

不動産売却時の支払い税金額

では、売却時の納税額を見てみましょう。

利益が高いほど支払う税額も上がります
相続税の金額と比べてみよう

※所有期間は5年超として計算。(所有5年以下の場合は所得税30%、住民税9%です)

売却利益(譲渡所得)
※売却価格-購入価格、諸費用
いくらで売れたかではないので注意
所得税額 住民税額 合計税額
100万円 150,000円 50,000円 200,000円
300万円 450,000円 150,000円 600,000円
500万円 750,000円 250,000円 1,000,000円
1,000万円 1,500,000円 500,000円 2,000,000円
2,000万円 3,000,000円 1,000,000円 4,000,000円
3,000万円 4,500,000円 1,500,000円 6,000,000円
4,000万円 6,000,000円 2,000,000円 8,000,000円
5,000万円 7,500,000円 2,500,000円 10,000,000円
6,000万円 9,000,000円 3,000,000円 12,000,000円
7,000万円 10,500,000円 3,500,000円 14,000,000円
8,000万円 12,000,000円 4,000,000円 16,000,000円
9,000万円 13,500,000円 4,500,000円 18,000,000円
1億円 15,000,000円 5,000,000円 20,000,000円

家や土地、マンションなどの不動産を売却したときの税額は、利益がどれくらい出るのかによって変わります。昔から所有している不動産を売却した場合、取得費が安いことで大きく利益が出る事が多く、相続と売却どちらが良いのかしっかり計算しておく必要があります。

下記に詳しく売却・贈与・相続についてもう少し詳しく解説します。

1.売却(生前)

まずは売却したらいくらか調べる

税額を知るには、いくらで売却できるのか確認する必要があります。不動産屋へ査定してもらうのがより確実ですが、この時1社のみの査定価格を聞くだけではなく、必ず複数社に査定してもらい査定額の平均で試算しましょう。
不動産一括無料査定はこちらからできます。

売却したときの税金を計算

・買ったときよりも値段が下がって利益が出ないとき
→ 譲渡所得税や住民税は0円です。
・購入時の値段が不明なとき
→ 取得価格が不明なときは、売却した金額の5%を取得費として計算することができます。たとえば、2,120万円で売却したときの取得費は、2,120万円×5%=「106万円」として税額を算出します。

 

売却価格から取得費、仲介手数料など諸費用を差し引いた金額が所得となり、所得金額に対して課税されます。

 

不動産売却時の所得税・住民税率
所得税率 住民税率
短期譲渡所得(所有5年以下) 30% 9%
長期譲渡所得(所有5年超) 15% 5%

さらに平成25年~平成49年までは、復興特別所得税が別途課税されます。

復興特別所得税 所得税 × 2.1%

売却利益がでる場合、おおよそ利益の20%が支払い税額となります。

相続税の計算

 

売却したお金を使いきれず、基礎控除額以上に残った時は
相続税の対象にもなります

生前に不動産を売却すると、手元に大きな金額の現金が残ります。このお金を不動産名義人が使い切れず一定以上の金額が手元に残ったまま死去したときは、相続税がかかります。

→不動産を相続した場合の相続税の計算方法

簡単にまとめると、基礎控除の金額(相続人1人:3600万円・2人:4,200万円・3人4,800万円)を超えるお金が手元に残ったときに相続税の課税対象となります。

2.贈与(生前)

例え親子であっても、家や土地、マンションなどの不動産を対価なし・無償で子供にあげることはできません。不動産の名義を子どもに変えたときは、その時の不動産物件の時価に贈与税が課税され、納税しなければいけません。

また、不動産をその時の時価に比べて著しく低い値段で子供へ売却しても同じことで、両者が納得していたとしてもそれは「贈与」とみなされ贈与税の対象となります。

贈与税の税率

 

安易に名義を変更してしまうと多額の贈与税が発生することが!

土地は路線価方式or倍率方式で評価され、家は固定資産税評価額がそのまま評価額(課税対象額)に。
マンションは↑上記の方式で算出されたマンション全体の評価額に、登記簿に記載されている自分の持分が評価額(課税対象額)となります。

※年間110万円までは非課税。
課税対象額 一般贈与 特定贈与
税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% なし 10% なし
200万円超300万円以下 15% 10万円 15% 10万円
300万円超400万円以下 20% 25万円
400万円超600万円以下 30% 65万円 20% 30万円
600万円超1,000万円以下 40% 125万円 30% 90万円
1,000万円超1,500万円以下 45% 175万円 40% 190万円
1,500万円超3,000万円以下 50% 250万円 45% 265万円
3,000万円超4,500万円以下 55% 400万円 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

相続税より高い、贈与税

贈与税は、「相続税を払いたくないから死ぬ前にあげてしまおう」という流れを防止するため作られたものなので、相続税よりも圧倒的に高税率となっています。

不動産を取得した時にかかる不動産取得税、登記するときにかかる登録免許税についても、相続時よりも贈与時の方が高く設定されています。

家やマンションなどの居住用不動産であれば、同居の配偶者や親族への相続に関しては2,000万円の配偶者控除がありますが、土地に関してはありません。

相続時精算課税制度(2,500万円控除)

相続時精算課税制度を利用すると、2,500円の控除が利用できます。

適用要件

 

対象者 適用要件
贈与者 65歳以上の親 60歳以上の親、祖父母
受贈者 20歳以上の推定相続人である子 20歳以上の推定相続人である子および孫

平成27年~親に加えて祖父母も条件に加えられ、年齢も5歳引き下げられ60歳以上と要件が緩和されました。また、受贈者は子のみ対象とされていたのが、孫もOKになりました。

毎年2,500万円控除があるの?

毎年課税価格から2,500万円の控除ができるのではなく、合計で2,500万円の控除という意味です。

複数回にわたって財産を贈与されても、この制度を利用すれば合計2,500万円以内であれば贈与税はかかりません。2,500万円を超えた部分に対しては一律20%の税率で課税されます。

【注意!!!】ただし、相続時に精算される

この制度を利用してその時相続税を免れたとしても、相続時に「贈与時の評価額」で相続財産に課税されます。

つまり、あくまでも納税を先延ばしにしているだけで、税金負担を軽減している訳ではありません。

3.相続(死後)

 

自分の場合はいくらまでなら相続税がかからないか把握しておこう

まずは相続人が何人いるか把握しよう

相続税は、「基礎控除」というものがあり、その金額までなら相続税がかかりません。

 

基礎控除の金額

 

※相続人の数の調べ方

子どもが1人で3,600万円、子どもが2人では4,200万円、3人では4,800万円が基礎控除額となります(配偶者が死去していないとき)ので、それまでの金額であれば相続税は課税されません。

不動産はどうやって評価額が決まるか

 

土地・建物の評価額
土地の評価 市街地→「路線価方式」 市街地以外→「倍率方式」により評価されます。
建物の評価 固定資産税評価額がそのまま相続税における評価額となります。
マンションの評価 土地+建物の評価額(マンション全体の評価額マンション全体の評価額)に、登記簿に記載されている自分の持分の部分が評価額となります。

相続時は、土地だけでなく、マイホーム、マイホームが建っている土地や預貯金、保険金、株なども遺産として合わせます。

つまり、土地の評価額+その他のプラスの遺産合計額が、基礎控除以下であれば相続税は0円で相続させることができ、基礎控除を超える場合相続税がかかります。

売却、贈与、相続 まとめると・・・

※贈与の場合の税額は先述した表を見て比較してください。
※配偶者への相続は1億6千万円の配偶者控除があります。配偶者が健在な場合は、2次相続(2人とも亡くなった時の子どもへの相続)へ向けて、前もって計算しておくとよいでしょう。

生前に売却した場合

生前売却
する
売却時の所得税・住民税 売却し死去までに使い切れない現金
+その他遺産合計が
相続税
利益なし なし 基礎控除額以下 なし
基礎控除額超 かかる
利益あり 利益×20%
※所有5年超の場合
基礎控除額以下 なし
基礎控除額超 かかる

売却せずそのままにしておいた場合

売却せず
そのまま
不動産の評価額が 相続税 相続した人がその後
不動産を売却したとき
売却時の所得税・住民税
基礎控除額以下 かからない 利益あり なし
基礎控除額超 かかる 利益なし 利益×20%
※所有5年超の場合

【番外編】不動産を相続したあとに売却したときは?

相続後3年10ヶ月の間に、相続した土地や家、マンションを売却したときは、譲渡税を軽減する特例があります。
詳しくは→相続不動産を売却したときの税金・特例(控除)

詳しくは

 

→土地・家・マンション等の不動産、売却・贈与・相続 どれが得なのか?

→相続税が払えないとき~相続した不動産を売却して納税する?

 

そもそも申告が必要なのかわからない、申告の仕方がわからない、という場合は相続に詳しい専門家へ相談しましょう。
→相続、誰に相談する?相談窓口早見表とかかる費用

 

 

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